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Good Practice

ウエルネスと身体

師岡 文男(文学部保健体育研究室 教授)

受賞のコメント

昨年度の飯田祥明先生に続き、学生が選択して履修したわけではない必修科目「ウエルネスと身体」で受賞できたことは、この科目の内容が有意義で重要であることを学生が支持してくれた結果であると自負しています。背景には、授業終了時に受講生全員にアンケート調査を行い、その結果を研究室会議で分析してテキストを毎年改訂しているFD活動があり、今回の受賞は保健体育研究室全員を代表していただいたと思っております。
また、この科目はアクティブラーニングそのものであり、学生が実体験を通じて学習する点が評価されたのだと思います。今後も理論だけではなく、実践能力を身につけたMen and Women for Others, with Othersの育成のために、学習課題と学習方法の改善に努めていきたいと思います。この度はありがとうございました。

学生のコメント

  • 自分の運動習慣や食生活を見直す良い機会となった。
  • 身体への気づきがあった。講義の中で体を動かした実習があり、身体を媒介に他者とコミュニケーションをはかることができるとわかった。
  • 運動や栄養やスポーツという文化についてたくさん学んだが、講義する教員本人がとても心身ともに健康そうなので、内容を人間が体現しているのだと思った。

講義概要

この授業では、身体的、精神的、社会的良好さを求める概念である「ウエルネス(全人的健康)」へのアプローチに必要な科学的知識を理解するとともに、他者・外界とのコミュニケーションや自己表現に欠くことのできない媒体である身体に着目し、メディアとしての身体の視点からアナログな身体の営みを探り、他者とともに生きるための「身体の知」の獲得をめざす。現代のデジタルな知識優先の社会環境下で生きる学生にとって、上記視点から自己のライフスタイルと身体を見つめ直すことは、健康で自由な自己表現を求めて生きる人間の原点を問う作業であり、同時に他者との共生への扉を開くことでもある。

到達目標

  1. 身体的、精神的、社会的に良い状態「ウエルネス(全人的健康)」を獲得するため知識識・技術を身につける。
  2. 他者・外界とのコミュニケーションや自己表現に欠くことのできないメディアである身体に着目し、他者と共に生きるための「身体知」を体得する能力を身につける。

<単元ごとの目標>

  1. スポーツと身体・身体文化
    スポーツの意味や歴史、政治や経済、教育との関係について学び、そのあるべき姿や身体をめぐる思想や文化について考察することにより「人間とは何か」や「人間らしい生き方」について探求する能力を身につける。
  2. 健康のリテラシー
    ウエルネスを獲得する具体的な方法としての「運動」「食事」「休養」「ストレスマネジメント」「ソーシャルサポート」についての科学的知識を学び、巷に広がる言説に惑わされることなく自分自身のライフスタイルを構築し、知識を生きる知恵として実践に活かす能力を身につける。
  3. 身体のレッスン
    「身体を感じる」と「身体で感じる」ことに挑戦する。鏡に映った身体ばかりを気にするのではなく、鏡には映らない身体にも深く注意を向ける。身体に気づき、「身体をひらく」ことによりあるがままの自己を理解し、心をひらく糸口を見つける。そして、その糸口から外界や他者とのコミュニケーション能力を向上させる。
  4. フィットネス
    「環境に適応する」という体力の本来の意味に立ち返り、自分自身の身体の状態を測定して客観的データを得るとともに、運動不足によって生じる筋力、持久力、柔軟性の低下を改善するための科学的トレーニング方法を学習し、体験し、自分にあった持続可能な有意義な運動習慣を身につける。

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