2008年度第3回 FD講演会
2008年6月4日開催
成績評価を考える
FD委員会では、6月4日に、2008年度FDプログラム(計7回)の第3回として、FD講演会「成績評価を考える」を開催しました。年間プログラムのうち、春学期の大規模企画として、学外講師を招いての基調講演とそれを受けての本学の現状報告及び意見交換という構成で行いました。講師は、FD委員会副委員長山本浩文学部英文学科教授の尽力により、国際基督教大学教養学部のマーク・ランガガー准教授にお願いしました。国際基督教大学は、アメリカのリベラルアーツ・カレッジの理念を受け継ぐ設立の背景があり、早くから授業アンケートの実施やGPA導入などのFD活動が行われています。
ランガガー准教授は、7ページに亘るレジュメ及び自身のシラバス、エクセルによる成績評価の管理シートなどを示しながら、丁寧に話を進めました。特に、評価を通して学生を動機づけること、評価基準をシラバスなどで学生に明示することの大切さを強調しました。また、GPAを早くから導入している国際基督教大学では、GPAのクラス平均の目標値を2.6〜2.7に設定していることを紹介し、成績評価について、初等教育では絶対評価は効果的だが、大学のような高等教育機関においては相対評価がよいのではないかという意見を述べました。
ランガガー准教授の講演のあと、司会の山本教授から、本学では2007年度から成績評価分布をWeb上で公開していること、本学の成績評価は絶対評価であり授業によってGPAの平均にばらつきが見られることなど、本学の現状について報告がありました。
続いての意見交換では、フロアの参加者から、成績評価の管理の仕方について、学生に目標値(基準)を明示することによる弊害(学生によってはここまでやれば合格点をとれるという風に安易な到達点を決めてしまうこともある)について、などの意見が出されました。短い時間でしたが、成績評価に対する様々な考え方を共有する機会となりました。
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熱心に説明するランガガー准教授 |
今回は、今年度初めて学外講師を招いての講演会でしたが、教員の参加者が少なかったのが少し残念でした。また、参加者アンケートでは、講師とは異なる意見もありましたが、自分以外の教員の成績評価の考えかたを聞き、自身を振り返るきっかけを提供できればよいのではと思っています。
なお、FD委員会では、2008年度第4回プログラム・FDミニ講演会Vol.2として、7月2日に「ハラスメントのないキャンパス」を開催いたします。新任教員研修会のプログラムのひとつを一般の教職員にも公開するものです。多数のご参加をお待ちしています。
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