2008年度第6回プログラム・FD講演会Vol.4
2008年11月26日開催
FDの展望 〜これまでのFDとこれからのFD〜
FD委員会では、11月26日に、2008年度FDプログラム(計7回)の第6回として、FD講演会Vol.4「FDの展望 〜これまでのFDとこれからのFD」を開催しました。今回は、山本FD委員会副委員長の尽力により、東海大学文学部教授で社団法人日本私立大学連盟教育研究委員会委員長も務めている松本亮三氏に、講師を依頼しました。東海大学は、1990年代初めからFD活動に積極的に取り組んでいます。
松本教授は、29枚に亘るスライドを準備し、(1)FDに対する国の対応 (2)FDの位置づけと方向性 (3)日本の大学のFDの進展状況
(4)東海大学の事例 と順を追って、豊富なデータをまじえながら話を進めました。特にこれからのFDは、明確な教育目標・指針を設定して教育全般の向上を目指すものであり、輩出すべき人材の目標設定(ディプロマ・ポリシー)、それに基づく教育課程全体の明確化(カリキュラム・ポリシー)、入学者の受け入れ指針(アドミッション・ポリシー)をもとに組織的に行われるべきであり、個々人の教授能力改善はそのために必要な要件ではあるが、最終目標ではないと、FDの組織的活動について話を展開しました。
また、教員の教育評価については、組織的に教育活動を活性化させるPDCAサイクルを実質化するために不可欠であるとし、東海大学で2004年度から導入されている「総合的業績評価制度」を、実際の教育活動情報入力画面を表示しながら紹介しました。
講演に引き続いての質疑応答では、フロアの参加者から、「総合的業績評価制度の具体的利用状況」、「FD活動の一般教員への浸透のさせ方」、「FD活動を推進した結果の教育効果など具体的な成果」、「組織的なFD活動と学問の自由の担保との関係」など、様々な質問が出されました。松本教授は大学内外の様々な経験をもとに、これらの質問に丁寧に回答され、有意義な時間を持つことができました。
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松本先生
講演風景 |
質疑応答風景 |
今回は、秋学期の大規模企画として、教員評価を含めこれからのFDの方向性を考える機会として大きなテーマを設定しました。一般の教員にとってはもう少し身近なテーマの方が関心を持ちやすいようですが、今後とも幅広いテーマを取り上げて企画を実施していきたいと思います。
なお、FD委員会では、2008年度第7回プログラム・FDミニ講演会Vol.3として、12月11日に「学生の精神衛生問題への対応」を開催いたします。多数のご参加をお待ちしています。
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