2008年度第7回プログラム・FDミニ講演会Vol.3
2008年12月11日開催
学生の精神衛生問題への対応
FD委員会では、12月11日に、2008年度FDプログラム(計7回)の最終回として、FDミニ講演会Vol.3「学生の精神衛生問題への対応」を開催しました。今回は、竹内FD委員会委員の尽力により、東京大学医学部小児科医局の星山雅樹氏に講師を依頼しました。星山氏は、1995年から東大医学部文部教官助手として研修医を指導しているほか、成育医療センター、明星大学教育学科・心理学科にて発達障害や自律神経障害の教育、研究にたずさわり、八王子市や青梅市の発達障害特別支援巡回指導のスーパーバイズを行っています。
星山氏はまず、「大学生は思春期と成人期の中間にあたり、両方の問題が出現し勉強や対人関係などのストレスも多い時期である。心理的問題を抱えて専門家による援助が必要な学生は10%程度存在すると言われているが、大学での実際の相談率は小規模の大学で5%、大規模の大学では1%程度であり、誰にも相談していないかまたは専門家でない人に相談しているケースが多いと考えられる。」と話しました。
続いて、うつ病やうつ病が誘発する自殺願望について具体的な事例を挙げ、そういった学生との接し方を説明し、さらに、アスペルガー障害、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、学習障害などの発達障害の特徴と支援方法についても具体的に紹介しました。そして、「身近な人が言葉をかけ話を聞くということは大切だが、対応しきれない場合にカウンセリングセンター、保健センターなど専門家を巻き込む学内連携体制と自殺の危険度が高い場合の緊急時連携体制を整えることが必要である。」とまとめました。
講演に引き続いて、フロアの参加者からは、相談に訪れた学生への専門家への橋渡しの仕方などの質問があり、活発な質疑応答が行われました。
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星山先生 |
質疑応答風景 |
今回は、FD講演会で取り上げて欲しいテーマとして要望の多かった発達障害等を抱える学生への対応というテーマを設定したためか、職員を含め多くの参加者がありました。参加者アンケートの意見では、「次のステップではもっと具体的なケースを知りたい」「学内の事例を挙げた対処法を共に考える続編を開催してほしい」などの要望が寄せられました。次年度以降の課題としたいと思います。
今回をもちまして、FD委員会が企画、実施してきた、2008年度FDプログラム(計7回)が全て終了しました。ご協力いただいた学内外の方々、また参加いただきご意見をいただいた教職員の皆様に、心から感謝申しあげます。
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