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活動学生による授業アンケート
Good Practice 2015年度春学期
現代の証券市場と上場会社
榊原 宏司
受賞のコメント
本講座は、成長分野への資金提供を役割とする証券市場と、そこに上場する上場会社を取り扱う日本取引所グループ(JPX)の提携講座ですが、Good Practiceと評価され光栄です。私自身も上智を含め9年間実務家教員として教鞭をとる経験の中で、学生のニーズと講義内容・レベルが熟成されて良い内容を提供でき、それを評価されて大変嬉しく思います。
JPXはCSRの一環として金融経済教育の普及を行っていますが、その業務の中で、中学・高校の社会科教員の研究授業参加、教員・エコノミストのネットワーク、金融教材開発を経験し、池上彰氏のように「いかに分かりやすく正しく理解させるか」という視点と、たとえレベルの高い内容でも「学生の目線に立って興味を引き出し自発的に取り組ませる」という視点の重要性に早くから気が付けたことが今回の背景にあります。
特に講義で意識した点は、①「実際の経済・社会の動きと講義とのつながり」が出るように、日経新聞のニュースを取り上げ、多くの優れた日本企業の存在とそのチャレンジ、経済の動き、仕事のやりがい・楽しさを紹介したこと。②体験型学習教材「株式学習ゲーム」による「アクティブ・ラーニング」を導入し、自発的に取り組ませたこと。③理解度把握のための毎回の小テストの学生質問欄への回答を通した「双方向授業」の実施。④ケーススタディーとして、本物の上場会社の開示資料、決算書を取り上げ、興味のある具体例→理論という手法をとったことなどで目新しいものではありません。
最後に、上智で学んだことは、将来の学生の皆さん自身、社会にきっと役立つはずです。積極的に取り組んでください。
学生のコメント
- 株式や経済の基礎を体系的・網羅的に学習できる点で有意義でした。講義冒頭の最近の経済ニュース解説が毎回おもしろく、幅広い業界や経済に興味を持つきっかけになった。
- 毎回の小テストが丁度いい難易度のおかげで勉強に取り組みやすかった。小テストのリアクション欄の質問に、きちんと答えてくれてとてもよかった。
- 株式学習ゲームで、自発的に体験をすることでより理解が深められた。
- 会社の見方が就活に役立ちそうでよかったです。
- 先生が熱心で就活とも結びつけた内容で、企業を身近に感じられて良い授業でした。
講義概要
卒業後、銀行・証券会社・投資銀行など金融機関に進みたい、上場会社で働きたいと考える学生の皆様もいらっしゃると思います。多くの大学生が卒業後なんらかの形で関わることになる「上場会社」、それを支える「現代の証券市場」について取り上げます。
金融を取り巻く環境が大きく変わり、「預け、引き出し、借りる」程度の理解では済まされなくなりました。金融の中で皆さんからは疎遠でありながら、資金調達・資金運用面で急速に重要性が増している「証券」に焦点を当て、証券市場の仕組みや最新動向を見ていきます。
講義においては、基礎的な重要項目・その仕組みと制度趣旨等を中心的に取り上げますが、直近のデータ、具体的な事例・ケーススタディー(簡単なものに限る)、新聞記事を用い、わかりやすい解説を試みるとともに、理論ばかりでなく現状の紹介、及び体験型教材の実施も併用します。
本講座は、全学共通科目であるため、経済や経営を専門としない学生の皆さんでも十分に理解できるように高校の現代社会、政治・経済のレベルからスタートしますので、文学部、外国語学部、理工学部などの多くの学生の参加を希望します。また、証券市場・上場会社は、会社法・金融商品取引法にも深く関連しており、将来、上場会社の「企業法務」を目指す法学部生の前提知識を得られるものと考えます。
学生の皆さんは、銀行預金と異なり、証券投資を実体験することもなくイメージしにくいと思います。 株式市場の仕組みを理解できるように、既に多くの大学で導入されている「株式市場のシミュレーション無償教材(株式売買体験の学習教材)」を使用して、スマートフォンや自宅のPCから上場会社株式の売買を仮想体験する機会を設けます。この教材を体験することで、技術力のある「魅力ある上場会社が多数存在すること」に気づくと思います。 その幅広い選択肢の中から「会社選択」し、簡単な「会社研究」「業界研究」をし、新聞記事・ニュースなどで「最新の動きを把握する」といったことを知らず知らずに実践するきっかけにもなると考えます。
大学生から社会人になる過程での進路選択、さらに社会に出た後も、会社や証券市場を見ていく機会に直面することが多々あると思いますが、役に立つ楽しい講義内容にする予定です。この講座を通して新聞に目を通す習慣を身につけ、その金融・経済・会社の情報を理解し、金融・証券・上場会社に関心を持ってもらえればと思います。
到達目標
この講座の目標は、以下の(1)~(4)の項目です。
- (1) 金融、証券市場の仕組みと役割、東京証券取引所の機能と役割、資金調達と資金運用、市場が要請されていることを理解すること。
- (2) 上場制度と上場会社、上場会社に要請されるものを理解すること。また優れた上場会社が数多く存在することを理解すること。
- (3) 会社情報と開示制度を理解すること、また実際の会社の決算書等を使い「会社を見る力」をつけること。
- (4) 新聞記事を理解し、企業・証券市場・経済の最新動向、直面する課題を把握すること。