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活動学生による授業アンケート

2024年度春学期大学授業アンケート「学生が選ぶGood Practice」代表者のことば

 表彰36科目の中から、代表して以下の科目の担当教員から寄稿をいただきました。

〇表彰科目:基盤教育センター開講「グローバル社会の中のアフリカ」
〇担当教員:大平 和希子(グローバル教育センター所属)

 グローバル教育センターの大平和希子です。

 私はアフリカ研究者で、中でもアフリカ政治を専門としていて、この度は「グローバル社会の中のアフリカ」という授業でGood Practice賞を受賞することが出来ました。

 アフリカというのは、多くの学生にとって、物理的にも心理的にも非常に遠いです。私の初回授業では自己紹介がてら、グループワークでアフリカに対するイメージを一人一人に聞くのですが、貧困・飢餓・紛争・混沌、あるいはアフリカ大陸は北端と南端で福島県とオーストラリアのシドニーくらいの距離があるにもかかわらず総じて暑いなど、54カ国あるアフリカ大陸の一部を切り取ったイメージを持っている学生が多くいます。「グローバル社会の中のアフリカ」という授業では、物理的にも心理的にも遠いアフリカを少しでも身近に感じてもらえるように、そして、アフリカ大陸は奴隷貿易以降、グローバル社会の中に深く複雑に組み込まれてきたのですが、その歴史を正しく知ることで、どのような歴史が積み重なって今のアフリカがあるのかを知り、さらには現代アフリカの課題を見出して今後の展望まで描くという、時間軸で言うと1700年ぐらい、空間軸で言うと1大陸を扱うという、わりと挑戦的な授業をやっています。そのため、授業アンケートの中でも、学生から「こんなに内容の濃い授業を初めて受けた」という声が何人からも聞かれました。

 この授業では、1つの授業の中でだいたい3つのテーマを扱います。1つのテーマに対して1つの到達目標、つまり1つの授業の中で3つの到達目標を設けて、それを授業冒頭で示すことで学生が授業についてこられるように、あるいは私が「この授業で学んでほしい」と思っていることを学生に伝えることで、学生自身がしっかりと考えてくれるような工夫をしています。

 また、私の所属はグローバル教育センターで、全学共通科目を提供しています。「グローバル社会の中のアフリカ」の授業でも、全学部の学生が履修しており、かつ学年も1年生から4年生とかなり幅広いです。そのため、全学共通科目特有の難しさがあります。例えばアフリカで言うと、一人一人のアフリカに対する知識とか理解度が全く違う、ということですね。そのため、コースをどうデザインするか、というところにもかなりのエネルギーを使っています。

 しかしながら、全学部・全学年の学生が履修しているからこそ、「多様な学生の学び合い」もすごく大切にしています。その学び合いが出来る工夫として、毎回の授業のグループディスカッションであったり、14回のうちの1回をワークショップでやったりしています。また、「アフリカを学ぶ」だけではなく「アフリカから学ぶ」ということも大切にしたいので、1回はアフリカ出身の方にゲストレクチャーで来ていただいたりだなど、様々な工夫をしながらアフリカの本当に深い歴史を知ることが出来るよう、「グローバル社会の中のアフリカ」という科目をデザインしてきました。

 私自身、今年度上智大学に着任したばかりで、まだ他の先生方との交流の経験も少ないのですが、これからも皆さま方の実践から多くを学びながら、よりアフリカを身近に感じてもらえるような授業を提供していきたいと思っています。

以上

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