ニュース FD委員会の活動 2024年度
全学FDセミナー「教職員みんなで考える「合理的配慮」」実施報告
タイトル:教職員みんなで考える「合理的配慮」
日時:2024年 9月 2日(月)13:00~14:30
場所:Zoomによる開催
講師:村田 淳 准教授(京都大学学生総合支援機構 障害学生支援部門)
参加者:105名(教員:19名、職員:86名)
内容:
当講演会の目的は、2024年4月1日の改正障害者差別解消法施行と合理的配慮提供の義務化を受け、あらためて大学における「合理的配慮」とは何か、「本来業務付随」「本質変更不可」など核となる考え方を切り口に、「何を」「どこまで対応する」のか、を解説いただくことであった。
大きく分けて「“障害”の現在」と「大学等における障害学生支援と障害者差別解消法」という2つのテーマで講演された。
1つ目のテーマ「“障害”の現在」では、障害のある学生に対する合理的配慮の基本的な理解と実践的な考え方が説明され、国連が発行している障害者権利条約も依拠しながら日本国内でも法整備がなされてきたことが紹介された。合理的配慮は英語で“reasonable accommodation”と表現され、「困っている人に対する待遇」ではなく「理にかなった範囲の中での調整作業である」という考え方が説明された。
続いてもう1つのテーマ「大学等における障害学生支援と障害者差別解消法」では、障害学生支援の現状や課題、特に発達障害の増加傾向についても言及し、合理的配慮の提供が大学全体の取り組みとして重要であることが説明された。また、合理的配慮の具体例や大学教職員が持つべき共通認識についても触れ、教育現場での実践的な対応方法が紹介された。
最後に、法律は「守りましょう」「頑張りましょう」ということを言いたいわけではなく、「障がいの有無によって権利に差が出ないようにしよう」ということを言いたいだけである、と話され、講演は終了した。
講演後、質疑応答の時間が設けられた。質疑応答では、留学生に対する合理的配慮・オンライン授業における合理的配慮・読み書き困難(ディスレクシア)への対応・過剰な配慮への対応などがテーマとして取り上げられた。