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ニュース 各部門の活動 2021年度

ジェンダーと大学教育:学生の観点から

主  催:
グローバル教育センター
講  師:
(発表者)上智大学学生サークル Gender Equality for Sophia
日  時:
2021年6月28日
実施方法:
オンライン
参加者数:
12名

概要

 全学共通科目に対する学生の意見、要望を、主にジェンダーの観点から学生が発表し、参加した教職員との意見交換の場を提供することが、本FD活動の目的である。GESに参加する学生は、大学を社会の次世代を担う人々に、社会に変革をもたらす情報を提供する重要な機関であると考えている。また、GESに参加する学生は、現在の上智大学の教育プログラムには、(1)学生の関心や探究心のニーズに応えられていない、2)全学共通科目にジェンダーに関する授業が少ない、という2つの問題があると考えている。加えて、現在提供されているジェンダーに関する科目は、倍率が高いことに加え、高学年教養科目に位置付けられている。結果として、履修を希望していても、実際には登録できない学生が多く出ている。さらに、ジェンダーについて扱っていても、科目名にジェンダーという用語が入っていない科目もあり、学生がその科目を探し出せない状況がある。科目名の変更を求めているわけではなく、ジェンダーやセクシュアリティについて学びたい学生が授業を探し出せないというシステムに改善点があり得る。一方で、上智大学の教育理念を考えると、在学生全員がジェンダーやセクシュアリティについて学べる機会が提供されるべきではないかと考えている。なお、GEDの学生は、国内外の他大学の組織やプログラムについても調査を行っており、学生参加型の授業運営方法についても検討している。

 上記の課題には、ジェンダーに関する科目少ないという課題の他に、多くの共通科目が抽選であるために、大学で何を学べるかは履修の抽選に当たるかどうかの運、そして所属する学科のプログラム内容に左右される、といった問題も含まれている。さらに、ジェンダーに関する問題を学生間で話題に上げることすら躊躇われると学生が感じていることからは、開講科目に関する議論のみならず、キャンパス内の施設や環境環境、イベントなどに関する事項の再検討も必要であることが分かる。一方で、学生の視点からは、全学共通科目におけるジェンダー関連科目数の増加が、最も効果的であるように感じられている。

 上記の学生の発表を踏まえて、参加した教職員との意見交換が行われた。教員の観点からも、ジェンダーに焦点を当てた授業が少ないように感じられる、学生からも授業を通じてそのような意見が寄せられている、といった指摘があった。また、環境問題も含め、ジェンダーを外しては論じることのできないトピックもあり、既存の授業の中でジェンダー問題を取り上げ続けていくことについての重要性も論じられた。大学以外の機関で働いた経験を持つ教員からは、国内外の女性の就職の状況についても学生に紹介されると共に、キャンパス内での清掃といった機会に関するジェンダーのあり方についても問題提起がなされた。加えて、ジェンダーに関する科目を新設するのか(すなわちそれを履修しない学生が出ても良いのか)、それとも全員が履修する科目にジェンダーに関するトピックを組み込んでいくのか(すなわち、学期中に数時間かもしれないが、全員が必ずジェンダーについて学ぶ)、のどちらの方が効果的であるのか、という点についても議論がなされた。学生の視点からは、むしろ後者の形で、全員に履修の機会を提供する方が効果的であるように見えるとの意見提供する方が効果的であるように見えるとの意見が多く多く挙げられた。様々な方法がある中で、学生側がどのような優先順位を持って課題に取り組むのか、教職員と学生をどのような形でつないでいくのか(情報発信方法、連絡先等)について、検討と情報共有の必要性が指摘された。

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