ニュース 各部門の活動 2023年度
海外大学大学院との学位連携にかかる利点と課題
- 主 催:
- グローバル・スタディーズ研究科
- 講 師:
- 中村 英俊 氏(早稲田大学 政治経済学術院副学術院長)
- 日 時:
- 2023年7月24日(月)11:00~13:00
- 実施方法:
- 対面(学内)
- 参加者数:
- 6名
概要
11 時から約1 時間にわたり行われた講演では、海外大学との教育提携の前提として、研究面での連携プロジェクトが運営されていること、JSPSや相手国の助成が潤沢であること、そして、学内の事務方による積極的なサポートがあることが有効であったと述べられた。また、各種助成の申請にあたっては、アカデミック・サポートを行う部局をアウトソース化し別個の法人組織とすることで、雇止めにより嘱託職員による持続的なサポートが受けられないという限界を克服することに成功したという。
他方、ダブル=ディグリープログラムの執行にあたっては、文科省の規制のために安定的、持続的な運用が難しいという意見が述べられた。特に博士課程の場合は、欧州諸国では一つの論文に対して2つの大学からの学位が与えられるのに対して、日本では、あくまでも1 本の論文に対して1つの学位しか与えられないことがネックになっているという。また、英国(や米国)など、授業料の高い大学との提携に際しては、特に日本人の修士課程学生への政府助成など十分なサポートがないために、発展的な制度としては確立しにくい点が指摘された。
講義を受けて、本学参加者からも、文科省の規制により持続的、実効的な運用が難しい点が共有された。また、拠点形成事業への事務方の協力体制や、(潜在的)学生をひきつけるための指導体制の充実などが今後の課題として提起された。
講演終了後も昼食を取りながら、参加した本研究科所属教員と中村氏
との間で活発な意見交換が行われ、大変盛況であった。